clover farmの餌やり風景



牛を飼う上で、必要なのが「牛にえさをあげる」という行為です。
ただ、牛への餌のあげ方はいろいろあります。
放牧地で草を食べさせたり、ミキシングした餌を機械であげたり、
手で牛の前に配って回ったり。農家さんの規模、形態、牛舎構造、考え方等により
その手法も内容も千差万別です。
ちなみに、我が家では、牛舎の飼槽通路がとても狭いのと
飼料庫が無い等の制約条件と、家族経営でなるべく多くの牛を管理する目標と、
牛をより健康に飼うために、「発酵TMR」という餌を主軸として
えさの設計給与を行っています。
この発酵TMRが何かといいますと、簡単に言えば、
「牛に必要な餌をごちゃ混ぜにして、乳酸発酵させた餌」です。
ここでポイントになるのが、いくつかありまして、
①餌の栄養の計算や原料の選択、調整などを業者がすべてやってくれるので農家は牛にあげるだけ。
②発酵させていることにより、分解しにくい餌が分解されやすく、分解しやすい餌が安定的な形になっているので消化トラブルを軽減できる。
③屋外での保存が効くので、飼料庫が無くてもよい。
ざっくりこんな感じで、農家にも牛にも優しい餌なのです。

動画では、この発酵TMRをやっている所が映っています。
我が家は牛を放し飼いにしているので、一日分の餌をドンと置いておけば、
牛が自由なタイミングで好きなだけ餌を食べに来ることができます。

我が家では、この発酵TMRの他に、人間が捨ててしまうものも食べさせています。
日本の牛はBSE(狂牛病)の発生以降、動物性の餌を給与することはできないです。
なので、廃棄弁当などは使用できませんが、おから等の一般的に「粕」と呼ばれるものを
与えることができます。
なので、我が家でも「おから」や畑で収穫された規格外の「野菜」。
さらには、シメジを収穫した後の「廃菌床」、
減反で食用に出来ないお米を砕いた「破砕米」などを組み合わせて与えています。

牛の胃袋は4つあり、消化の過程は人間とはずいぶん違いますから、
胃袋の機能を理解して、餌を組み合わせていく必要があり、ここが奥深く、
楽しい世界でもあったりするのです。この辺は教科書にすると辞書並みに分厚い
本が書けてしまうほど、奥深いので、また少しずつかみ砕いて
個人的な解釈になりますが、書けたらいいなぁ。なんて思っています。

そんな難しい作業を子供でも手伝えるのが我が家の餌やり体系の良い所。
なんて思っています。

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