2016/12/23

こんな母牛もいます

3回目の分娩を迎えたNo.8 産んだ子牛に戸惑う

子牛に対する愛情表現がヘタクソなNo.8 とりあえず傍に座る(笑)
すべての牛が、子牛に対して愛情を注げるわけではないようです。
22日の日中に分娩したNo.8ですが、彼女は3回目のお産でしたが、
相変わらず子牛に対する愛情表現が苦手なようです。
彼女は、牛群のなかでもとてもマイペース。
以前、2回目のお産の時にこんなことがありました。
同居していた別の母牛が分娩し、その子牛が時期立ち上がってフラフラと8番の方へ
歩いてきた時の事。
なんと、彼女は子牛に向かって頭突きを繰り出したのです!
直後に、その子牛を産んだ母牛にすっごい怒られてました(笑)
そんなことがあって今回のお産、少しは母性出せるかな?と、注目していたんですが、
産んでみたら、自分の子供を前に、恐る恐る舐めたかな?と思ったら、
立ちつくし、挙句、こちらに気づいて、私に向かって「もほぉぉ・・・・もほぉ・・・・」って
動揺を隠せない感じで弱弱しく鳴いてきました。オイオイ!と思いつつそのまま見守ってみると、
濡れて震える子牛の傍に、とりあえず座るも、特に干渉せず時間がたつばかり。
「お前らしいな(笑)」といって、子牛を引き取ると、追いかけてこず、真っすぐに草を食べに行きました。
なかなか珍しいケースだと思いますが、こんな牛もいるんだなぁと思わされました。

2016/12/20

分娩がないと酪農はできない

予定日通りも、大きく生まれてきた♂ - 年明けには市場へ出荷です

牛乳は、子牛の為に母牛が出すもの。それを、人間が頂いている。
つまり、分娩なくして酪農は成立しないのです。
そして、分娩は命が動くタイミングです。
子牛が生まれる。のはもちろんですが、その分娩周辺の時間というのは
母牛が死ぬ。子牛も死ぬかもしれない。
酪農において、もっとも事故が多いのが、この分娩と、その前後なのです。
そんなリスクの上に、さらに牛乳も頂いているのですから、
その事実は知っておくべきです。

今回、タイミングが合って、TVカメラがこのお産の様子を撮影できました。
年明け1月公開予定です。分娩中の介助は無しの自然分娩。
小さな母牛から、とても大きなオスの子牛が生まれてきました。
生々しい出産の様子がどのように編集され放送されるのか。こうご期待。

また、今回はご近所さんにも親子で見学に来ていただけました。
せっかく近くに牛舎があるので、ぜひぜひ見に来ていただきたいです。

産んだら初乳を搾ります - 我が家では最初から搾りきります※最初は少しだけ搾るなど農家によって様々です。

2016/12/14

交牧連クラブユース@東京2016



さすがに12月。寒い朝も出てきました。でも、まだ割と過ごしやすいと感じています。
これは、かつて新潟にいたり、長野の山にいたり、黒部の山にいたりした期間が
影響している気がします。やはり、平野部は暖かいんだと思います。
とても過ごしやすいと感じる、高岡の国吉は佐加野。ありがたい環境です。

さて、ちょっと時間をさかのぼってみます。
先日12月の初めに、東京へ一泊で行ってきました。
一泊といっても、出発の朝は搾乳と2日分の餌やりをして出発しましたし、
翌日は夕方からまた牛舎作業をしていました。もはや日課です。

何をしに東京へ行ったかというと、私が参加している地域交流牧場全国連絡会という
組織の中の、クラブユースという40歳以下の酪農家、従業員、関係者がメンバーの集まりがあります。
そのクラブユースでは全国で年に2回集まって活動をしています。
そこに久しぶりに参加させてもらいました。

今日は、そこで出会った酪農家を志している若者の話。

私も高校の時に、全国の知り合いで「実家は非農家だけど酪農家になりたい」という
友人がたくさんいました。
でも、30歳になった今、周りを見ても、実現した人はいません。
良くて、まだ牛にかかわる仕事を続けているといった具合です。

そして、今回の東京でも20代前半の若者、学生に「酪農家になりたい!」
「自分の牧場を持ちたい!」という人はいっぱいいました。
たぶん、感覚的に、自分の学生の時より多いんじゃないか?と思うほどでした。
非農家で新規起業した人間という事で、話しかけてくれる人もいましたし、
席が隣になって話ができた人など、さまざまでした。
それぞれに、悩みがあって、それぞれに私の思うところを伝えました。

中でも多かったのが、
「先にほかの業界を見てきたほうが、後々役に立つと思っている」とか
「まず今いる職場で人脈を築いてから」とかいう考えをよく聞きました。

それらは、確かに無駄ではないんですが、私は違うと思うので、伝えました。
「酪農家になりたいのなら、一番やるべきは、酪農家になるための準備」だと。
将来、自分が持つであろう牛舎とその環境、そこに飼う牛群と成績。
導入は?飼料は?機械は?光熱費は?地代は?乳価は?受胎率は?分娩間隔は?
治療費は?事故率は?廃棄率は?人件費は?衛生費は?子牛価格は?廃用価格は?

無数の数字に触れたことがあるか?難しそうで、膨大で、どこが終わりかもわからない。
とても大切なことだとわかっているけど、目をそらしてしまう。
経営で最も大切で終わりのない数字を相手にするのが一番大切だと伝えました。

この準備は絶対に早いに越したことはない。
これがないと、自信も持てない。説得もできない。お金も借りれない。
一番要の準備だということ。

そして、チャンスは突然やってくる。
しかも、自分の理想の形じゃないことがほとんど。
その時、様々な状況を数字にしてきたことが役に立つ。
牛が1頭増えたら、どこの経費がどれだけ動く?収入がどれだけ変わる?
そういうのがざっくりだけどイメージできる。
そして、もっと重要なのが、与えられた環境の中で、
固定費と工夫次第で動かせる費用を見極めて組み合わせることができるようになる。
つまり、極端な話、どんな環境下でも酪農を成功させる道筋をつけることができるようになる。
そうしたら、酪農を失敗するイメージができなくなるんです。

そういう自信をつけることが、何よりも重要な準備だと伝えました。

絶対に力になるし、活きてくる。それは経営を始めた後、特に感じると思います。

絶対に、酪農家になってほしいと思います。

がんばれ!って思う。

酪農業界の霜も、絶対溶かせる。
太陽はいつだって登ってくる。登っている。
日差しを遮ろうとする雲は絶対現れる。
それをどうかわすか、どう振り払うか、どう活かすか、気にしないか。

選択肢は無限です。

全国に酪農家は17000もの酪農家がいるんです。
17000人にやれてること、できないはずがないじゃない。

なにも特別な仕事じゃない。特別視する必要はないよー!

長くなりましたが、ひとまずおしまい!

2016/12/10

牛に何を食べさせるか



「牛に何を食べさせるか」
酪農という産業を行う上で避けては通れない事の一つです。
私には、家畜の餌に対して一つの考えを持っています。
それは、家畜である以上、餌でも人の役に立つ事。
本来家畜というのは、草などの人が食べても栄養になりにくいものや、
残飯などの人にとって不要となったものを食べさせ、
そこから牛乳や卵、肉などの畜産物を得ることを最大のメリットとした産業です。
しかし、現代の畜産は、飼料の約9~8割を輸入に頼り、
多大なCO2の排出と、海外へ資金を渡す中で継続しています。

本当に、海外にしか良質な飼料は無いでしょうか?
国内では安価に飼料を入手することはできないでしょうか?
そもそも、良質な飼料だけを追い求めた結果、資源を無駄にしてないでしょうか?

日本にはまだまだ資源も土地もあると思います。

開業から2年。
始めは海外の資材に頼っていましたが、次第に集まってきました。
廃棄されるおから、ビール粕、飼料米、規格外の野菜、そして写真のキノコ収穫後の菌床です。
この菌床はコーンコブといって、トウモロコシの芯を使って作られています。
それらの原料は海外からの輸入に依存しているかもしれませんが、
捨てればゴミ。廃棄にはお金も、環境への負荷もかかる。
しかし、飼料として使えば、まだまだ活躍できそうです。
それに、これを餌として扱うことで、新たな雇用も生まれる。


海外の飼料で作るなら、畜産物を海外から輸入しても
カロリー換算で見ると、大きな差は無いように思います。
確かに、薬の使用基準などの管理基準に差はあると思いますが。

私たちは、日本の役に立つ畜産をします。
もちろん、そのうえで牛を健康に、おいしい牛乳を生産します。

以上が、餌に対するこだわりの一つです。

2016/12/02

スタファームの人参



先月始まった「米づくり農家 大坪家」大坪さんが作るの飼料米に続いて、
今月は「(有)スタファーム」廣地さんの作るニンジンの規格外品を牛にあげ始めました。
バリボリと豪快な音を立てながらあっという間に20kg完食していました。
新鮮な素材からビタミン&ベータカロテンの補給を狙います。

廣地さんはご夫婦で多品種の人参を栽培しておられます。
にんじんのプロフェッショナルです。
今回持ってきていただいた人参も、素人家庭菜園をしている私から見れば、
これも規格外になっちゃうの!?と驚きました。
日本の農業における規格の厳しさを感じた瞬間でした。

「人が食べれないものは、牛も食べれんだろう」と廣地さん。
さすがです。人であれ、牛であれ、食べる相手に対する気配り。
いい仕事しておられるに違いないです。

うちの牛、幸せ者です。牛用ニンジン、私たちも少し分けて頂きます(笑)