2016/02/23

夢を抱くという事

昨日になりますが、2月22日に開業1周年を無事に迎えることが出来ました。
この調子で、とりあえず3年目まで事業の規模拡大を続けていきます。

さて、こういった専門色強い職業についていると、
「酪農家になりたいです!」とか
「酪農業界を支える仕事がしたいです!」といった風に、
目を輝かせて自分の夢を語ってくれる方に出会う事があります。
実際に私もそうでした。

しかし、後継者不足に苦しんでいる業界なのに、
「おぉ!頑張れよ!」と背中を押してくれる人は案外少ない印象です。
どちらかというと、「しんどいぞー!」「儲からんぞー!」といったネガティブをぶつけてくるんです。
もしかしたら、他の業種でもそういった部分はあるのかもしれませんが。

私の経験上、ネガティブな情報をぶつけて「やめた方が良い」という方向で話して来られる方は
自身がその問題を解決できずにいる人です。
なので、そういう場合もあるのかー。自分ならどうするかな?と、
考えるきっかけ程度に話を聞いておくといいと思います。
重要なのは、自分がその場面に直面した場合に、自分はその局面をどう打開するかを
考えておくことです。
この訓練を積み重ねておくと、自分の歩みは早くなります。必ず効いてきます。

私の周りにも、夢半ばで自分の夢を断ち切ってしまう人がいます。
本当に残念なことです。見ているこっちがもどかしくなります。
周りの声につぶされたり、環境に負けたり、自分を見失ったり、手段を見つけることができなかったり。

夢が職業でないのは絶対です。
仕事も職業ではないです。これも絶対です。
お金が必要となるこの世の中で、夢と仕事がリンクする場合は多いと思います。
あなたの仕事は何ですか?あなたの夢は何ですか?と聞かれたら何と答えますか?

「酪農家です。」「サッカー選手です。」「医者です。」「先生です。」
これは夢でも仕事でもありません。職業です。

ちなみに、私の夢は「100年後も日本であたりまえに酪農が続いている事」です。
私の仕事は「おいしい牛乳を搾り、牛乳や酪農の魅力を伝え、酪農で地域を盛り上げる事」です。

あ。夢や仕事を探すこと、目指す事、その入り口にはこだわらなくてもいいと思います。
なんせ、私は「会社で働きたくない。放牧地の牛をみている仕事が酪農なのか。」という考えから
酪農家になることを目指し始めました。すんごい動機不順ですし、的を得ていません(笑)

でも、今もやっぱり「仕事をしたくない」です。
なので、「家にいて家事のように牛の世話をする酪農」という職業には救われています。

1年間やってみて、「思った通りやっぱりいい仕事だったなー。」という感想が残ります。

2年目も楽しみながら生活していきたいと思います。


2016/02/20

廃用確定

離農するにあたり、この牧場へ引き継がれた牛1頭の廃用を決定しました。
牛は、分娩後に乳量が上昇していき、分娩後100日頃を境に減少していきます。
それが、その牛の餌代と見合わなくなる頃、酪農家は牛の命を決めることになります。

clover farmが始まった一番最初から牧場を支えてくれていた牛です。
引き継いだ時点で、分娩から1年が経っていました。
何とか妊娠してくれればと思い、これまで9回にわたって種付を行ってきました。
9回目の種付のあと、次の発情が来ていなかったので、受胎したかな?と、
楽しみにしていましたが、妊娠鑑定を待たずして、発情が来てしまいました。
乳量も落ちてきています。
何より、日に日に肥満体系になってきているので、今受胎させたとしても、
次のお産のリスクも増している状況でしたので、
この発情をもって、繁殖のための種付を終了し、時期を見て肉としての出荷を判断しました。

聞き分けがよく、目が印象的で、搾りやすいお気に入りの牛でした。
03954 0804 7 CF 007

2016/02/17

種付け

乳牛と言えど、いつでも牛乳を出してくれるわけではありません。
牛乳は本来、母牛が子牛を育てるために出すもの。
つまり、子牛を生んだ母牛しか出すことが出来ないのが基本です。

子牛を生むためには、雄牛の存在が重要ですが、
酪農家の牛舎には、成熟した雄牛は飼われていないのが普通になっています。

現代の酪農では、凍結保存された精液、もしくは授精卵を用いて
メス牛を妊娠させる「人工授精(AI)」や「授精卵移植(ET)」が当たり前になっています。

今回はこのうち、人工授精(AI)の情報を少しだけ解説します。

人工授精(AI)は、生後1年を過ぎた頃の子牛や、
分娩後一定の期間が過ぎた牛に行います。
そして、この人工授精(AI)は、いつ行っても授精に結び付くものではなくて、
牛の発情(排卵のタイミング)を見つけて行います。
牛が排卵する直前に、液体窒素で凍結保存されている精液を融解し、
ステンレスでできた専用の注入器を使って、牛の子宮の中へ注入します。
凍結精液は0.25mlか0.5mlという極々わずかな量です。
しかも、この凍結精液は、精液が凍結と融解に耐えることが出来るように
様々なもので希釈してあります。
写真は実際に先日の人工授精(AI)に用いた凍結精液が入ていった0.5mlのストローです。
ストローの上方より、雄牛(種雄牛)の登録番号。
雄牛(種雄牛)の名号。
バーコード。
精液の採取年月日となっています。

この人工授精の普及により、
①近親交配の回避
②性感染症の拡散予防
③遺伝的改良スピードの向上
④雄牛による管理者の事故が減少
などなど、たくさんのメリットがあります。

2016/02/09

牛乳をもっと身近に

私たちは、牛乳・乳製品が当たり前のように食卓へ並ぶ事を願っています。
多くの方に利用して頂いている牛乳を生産する牧場として、
安全なものを生産し続ける事はもちろんですが、
より安心して飲みたい、食べたいと思っていただけるものを生産するために。
そして、毎日利用して頂けるために、より一層安価に生産できるよう工夫を続けます。

富山県、北陸地域、日本全国の酪農家が今日も明日も牛乳を生産します。
それぞれの環境で、それぞれの考えで牛の為に出来る最善の管理を模索し続けています。
牛が出してくれる牛乳の量は、牛が満たされているかのバロメーター。
牛が腹いっぱい餌を食べれているか。
栄養のバランスは乱れていないか。
快適に休息が取れているか。

全国にいる乳牛が、一日1リットルだけ牛乳を多く出せるようになれば
日本で足りていない牛乳も足りる様になるかもしれない。
日本のどこにいても、より新鮮な牛乳を飲んでもらえるかもしれない。

特別なものを、特別でない存在に。

2016/02/05

No.35【オレンジ】ビフォアフ

乳牛を見て、よく聞かれることの一つに「牛のおっぱい」の話があります。
おっぱいには牛乳が溜まってるからあんなに大きいんですか?
どのくらい出るもんなんですか?といった風にです。
その中でも今回は「搾ったらしぼむんですか??」という質問にお答えします。



























2枚の写真は同じ牛、
今回はNo35を首からぶら下げている
「ノブタ オーシャン オレンジ」さんの
おっぱいを拝借。
みごとにしぼんでますね(笑)

牛によって、分娩後の日数によっても
しぼみ具合は牛それぞれです。

またなんでも気になることがあれば
聞いてくださいね!

2016/02/02

搾乳渋滞

clover farmの牛は、その多くが廃業した酪農家や、種付をしても受胎しなかった牛などの
くせ者を安く集めて今の頭数まで増やしてきました。
お金があれば、市場に出るような、癖のないソコソコ優れた牛が手に入るんですが、
頭数を増やすという目標を達成するためには、その方法は現実的ではありませんでした。

くせ者のその殆どは、いずれも痩せ気味な牛が多くみられました。
しかし、今では次第に肉付きも適度になってきて、毛艶もよく、フケもなくなりました。
牧場に来てから、乳量が増えた牛も居て、受胎しなかった牛も、受胎し始めました。
牛の管理は十人十色。
とはいえ、やはり、今ある環境で、しっかり牛を満たしてあげる管理を目指します。
そうすることで、牛も穏やかになり、乳量も増えてきます。
その結果かどうかは不明ですが、写真の奥にある搾乳スペースに向かって
一列に順番待ちをする牛たちの光景を写真に収めることができました。
偶然だとは思いますが。。。(笑)